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危機の種はすでに撒かれていた 不透明な金融に――フィナンシャル・タイムズ
2008年10月2日(木)20:05
(フィナンシャル・タイムズ 2008年10月1日初出 翻訳gooニュース) ジリアン・テット
ストラクチャード・ファイナンスの世界は「不透明」で分かりにくい。数年前に私がこう書いたとき、ある投資銀行の幹部は私をひどく叱りつけた。「不透明なところなどどこもない」 憤まんやるかたないといった様子で、彼は私に詰め寄った。「情報はいくらでも手に入るじゃないか。ブルームバーグ端末の使い方を知っていれば」と。
「ブルームバーグ端末がない人はどうするんですか?」と私は聞き返した。あるいはロイター端末がない人は。
この銀行幹部は一瞬、当惑して言葉に詰まった。ブルームバーグが使えないという悲しい状態にある世間の人々が、ファイナンスについて知る必要があるかどうかなど、考えたこともないといった様子だった。しばらくしてこの人は、私の言い分は見当違いだと反論してきた。「知る必要がある人たちは、どこにデータがあるか知っている。どこも全く不透明なんかじゃない」
アメリカの政治家たちが7000億ドル分の金融救済法案について投票する様子を見ていた9月29日夜、数年前のこのやりとりをふと思い出した。
投票結果を受けて、なぜ米下院があの包括法案を予想外にも否決したのか、色々な説が飛び交っている。しかし私が思うに、深刻な情報ギャップというのが、否決理由のひとつではないか。数年前に私と投資銀行幹部が交わしたやりとりが、今の事態の一端を説明しているように思うのだ。
もっと詳しく書くなら、こうだ。マネーが世界中をどう動き回っているのか、その実態について、世界の99.9%の人たちが全く理解していないという状態は、許容できるもので、全く普通の、当たり前のものだ――過去10年間というもの、金融関係者たちはこうタカをくくっていた。
つまり言いかえるなら、21世紀の銀行マンたちは、ブラックベリーを抱えた神官や司祭みたいに振る舞ってきたのだ。上級ラテン語ならぬ上級ファイナンス語を理解する者しか、ミサの参列が許されないという、そういう特権意識を振りかざしていたのだ。
一方でその間、ほとんどの政治家や有権者は、金融の仕組みをろくに理解しようとしなかった。その怠慢ぶりはショッキングでさえあった。どうしていきなり、ものすごく低金利で借金ができるようになったのかさえ、理由を考えてみようとしなかった。ほとんどのメディアも、怠慢だった。2000年からここ7年間、金融の世界で革命が起きていたのに、ほとんどの主要メディアはそのことをほぼ無視していた。
その代償を払う時がやってきてしまったのだ。去年から立て続いて展開した金融危機を前に、ほとんどの財政当局者も、政治家も、投資家も有権者も、完全なショック状態に陥っていた。その結果、見境のない、理性を欠いたパニックが起きた。そしてその結果、今後もっと非理性的で過剰な、金融規制強化が実施されるのかもしれない。
しかし現時点でなにより有害なのは、多くの有権者と政治家の混乱ぶりだ。金融の仕組みについて混乱しまくっているため、金融機関を救済することがいいのか悪いのかも、全く分からないでいる。有権者や政治家に分かるのは、ここ1年の出来事であからさまになったことだけ。つまり現代の金融システムは実に複雑に交錯しあっていて、ほとんどまともに理解されていないこと。ほとんど不透明と言ってもいい状態にあるということ。多くの政治家や有権者はこの1年で、それだけを学んだのだ。
すべては実に複雑で不透明だ。こういう意識がはびこっているため、金融機関を救済すれば結局のところは、(あらゆる秘密の手口を使って)金融関係者たちが救済されてしまうのだろうと、多くの人が疑っている。だから有権者は今、こんなに怒っているのだ。そしてだからこそ、金融システムを救済することと、大金持ちの金融関係者たちを救済することは別物なのだと、米政府はなかなか国民を説得できずにいるのだ。
たとえばAIG。AIGが提供する信用保護でここ数年、大いに利益を得ていたのは、ゴールドマン・サックスだったことがこのほど分かった。この報道を受けてゴールドマンは、自社のAIGへのエクスポージャーはほんのわずかで、AIGの運命とは全く無関係だと主張している。しかし今の米財務長官はゴールドマン・サックスの前CEOなだけに、公的支援を受ける組織とゴールドマンの結びつきが明らかになるのはいささか決まりが悪いはず。そしてこういう情報が表沙汰になるたびに、有権者や政治家はますます不信感を抱き、混乱してしまいがちだ。
短期的な対応としては、金融システムの透明性を高めることが(もしかしたら)、事態沈静化を助けるかもしれない。たとえばニューヨークのアナリスト、ジョシュア・ロスナー氏は実にまともな提案をしている。AIGは850億ドルの緊急融資を連邦準備理事会(FRB)から受ける代わりに、自分たちの信用保護を受けていた金融機関の名前を公表すべきだと言うのだ。そうすれば、ゴールドマン・サックスやその他の金融機関について飛び交っている突拍子もない噂のせめて一部は、消えてなくなるかもしれない。
しかし長期的な意味で言うと、一連の危機から学ぶべき本当の教訓は別にある。これほどの情報ギャップを政治は許してはいけなかった――これが本当の教訓だ。金融関係者がもつ情報とそれ以外の人々がもつ情報に、これほどの格差が生まれてはならない。それを防ぐため、議会は手を打つべきだったのだ。2000年以来7年の間、情報ギャップのおかげで、金融界はやりたい放題だった。様々な悪行がはびこった。その巨大なツケが今、めぐりめぐって押し寄せてきているのだ。
その影響は今後何年にもわたって、私たちを脅かすことになる。誰もが影響を受ける。ブルームバーグ端末を持っていない人でも。
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フィナンシャル・タイムズの本サイトFT.comの英文記事はこちら(登録が必要な場合もあります)。
(翻訳・加藤祐子)
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私は・・・理解できません
金融はさも複雑になっています
そして・・・世界に影響するのです
実際に日本でもかなりの打撃を受けてきています・・・
単純でいいはずのものが複雑化していく
一般庶民でも理解できる社会の仕組むづくり(金融の仕組み)
システムの構築が必要かと思うのですが・・・
マネー・・・ビッグマネーの持ち主が
そうはさせないか(笑)
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晴れるや(ハレルヤ)チャンス!
すべての人に幸あれ
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危機の種はすでに撒かれていた 不透明な金融に――フィナンシャル・タイムズ
2008年10月2日(木)20:05
(フィナンシャル・タイムズ 2008年10月1日初出 翻訳gooニュース) ジリアン・テット
ストラクチャード・ファイナンスの世界は「不透明」で分かりにくい。数年前に私がこう書いたとき、ある投資銀行の幹部は私をひどく叱りつけた。「不透明なところなどどこもない」 憤まんやるかたないといった様子で、彼は私に詰め寄った。「情報はいくらでも手に入るじゃないか。ブルームバーグ端末の使い方を知っていれば」と。
「ブルームバーグ端末がない人はどうするんですか?」と私は聞き返した。あるいはロイター端末がない人は。
この銀行幹部は一瞬、当惑して言葉に詰まった。ブルームバーグが使えないという悲しい状態にある世間の人々が、ファイナンスについて知る必要があるかどうかなど、考えたこともないといった様子だった。しばらくしてこの人は、私の言い分は見当違いだと反論してきた。「知る必要がある人たちは、どこにデータがあるか知っている。どこも全く不透明なんかじゃない」
アメリカの政治家たちが7000億ドル分の金融救済法案について投票する様子を見ていた9月29日夜、数年前のこのやりとりをふと思い出した。
投票結果を受けて、なぜ米下院があの包括法案を予想外にも否決したのか、色々な説が飛び交っている。しかし私が思うに、深刻な情報ギャップというのが、否決理由のひとつではないか。数年前に私と投資銀行幹部が交わしたやりとりが、今の事態の一端を説明しているように思うのだ。
もっと詳しく書くなら、こうだ。マネーが世界中をどう動き回っているのか、その実態について、世界の99.9%の人たちが全く理解していないという状態は、許容できるもので、全く普通の、当たり前のものだ――過去10年間というもの、金融関係者たちはこうタカをくくっていた。
つまり言いかえるなら、21世紀の銀行マンたちは、ブラックベリーを抱えた神官や司祭みたいに振る舞ってきたのだ。上級ラテン語ならぬ上級ファイナンス語を理解する者しか、ミサの参列が許されないという、そういう特権意識を振りかざしていたのだ。
一方でその間、ほとんどの政治家や有権者は、金融の仕組みをろくに理解しようとしなかった。その怠慢ぶりはショッキングでさえあった。どうしていきなり、ものすごく低金利で借金ができるようになったのかさえ、理由を考えてみようとしなかった。ほとんどのメディアも、怠慢だった。2000年からここ7年間、金融の世界で革命が起きていたのに、ほとんどの主要メディアはそのことをほぼ無視していた。
その代償を払う時がやってきてしまったのだ。去年から立て続いて展開した金融危機を前に、ほとんどの財政当局者も、政治家も、投資家も有権者も、完全なショック状態に陥っていた。その結果、見境のない、理性を欠いたパニックが起きた。そしてその結果、今後もっと非理性的で過剰な、金融規制強化が実施されるのかもしれない。
しかし現時点でなにより有害なのは、多くの有権者と政治家の混乱ぶりだ。金融の仕組みについて混乱しまくっているため、金融機関を救済することがいいのか悪いのかも、全く分からないでいる。有権者や政治家に分かるのは、ここ1年の出来事であからさまになったことだけ。つまり現代の金融システムは実に複雑に交錯しあっていて、ほとんどまともに理解されていないこと。ほとんど不透明と言ってもいい状態にあるということ。多くの政治家や有権者はこの1年で、それだけを学んだのだ。
すべては実に複雑で不透明だ。こういう意識がはびこっているため、金融機関を救済すれば結局のところは、(あらゆる秘密の手口を使って)金融関係者たちが救済されてしまうのだろうと、多くの人が疑っている。だから有権者は今、こんなに怒っているのだ。そしてだからこそ、金融システムを救済することと、大金持ちの金融関係者たちを救済することは別物なのだと、米政府はなかなか国民を説得できずにいるのだ。
たとえばAIG。AIGが提供する信用保護でここ数年、大いに利益を得ていたのは、ゴールドマン・サックスだったことがこのほど分かった。この報道を受けてゴールドマンは、自社のAIGへのエクスポージャーはほんのわずかで、AIGの運命とは全く無関係だと主張している。しかし今の米財務長官はゴールドマン・サックスの前CEOなだけに、公的支援を受ける組織とゴールドマンの結びつきが明らかになるのはいささか決まりが悪いはず。そしてこういう情報が表沙汰になるたびに、有権者や政治家はますます不信感を抱き、混乱してしまいがちだ。
短期的な対応としては、金融システムの透明性を高めることが(もしかしたら)、事態沈静化を助けるかもしれない。たとえばニューヨークのアナリスト、ジョシュア・ロスナー氏は実にまともな提案をしている。AIGは850億ドルの緊急融資を連邦準備理事会(FRB)から受ける代わりに、自分たちの信用保護を受けていた金融機関の名前を公表すべきだと言うのだ。そうすれば、ゴールドマン・サックスやその他の金融機関について飛び交っている突拍子もない噂のせめて一部は、消えてなくなるかもしれない。
しかし長期的な意味で言うと、一連の危機から学ぶべき本当の教訓は別にある。これほどの情報ギャップを政治は許してはいけなかった――これが本当の教訓だ。金融関係者がもつ情報とそれ以外の人々がもつ情報に、これほどの格差が生まれてはならない。それを防ぐため、議会は手を打つべきだったのだ。2000年以来7年の間、情報ギャップのおかげで、金融界はやりたい放題だった。様々な悪行がはびこった。その巨大なツケが今、めぐりめぐって押し寄せてきているのだ。
その影響は今後何年にもわたって、私たちを脅かすことになる。誰もが影響を受ける。ブルームバーグ端末を持っていない人でも。
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(翻訳・加藤祐子)
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私は・・・理解できません
金融はさも複雑になっています
そして・・・世界に影響するのです
実際に日本でもかなりの打撃を受けてきています・・・
単純でいいはずのものが複雑化していく
一般庶民でも理解できる社会の仕組むづくり(金融の仕組み)
システムの構築が必要かと思うのですが・・・
マネー・・・ビッグマネーの持ち主が
そうはさせないか(笑)
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すべての人に幸あれ
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